目に見えないものを大切にみたいな文脈はよくあるけど、私は目に見える愛情を大切にしたい。だって目に見えないものは伝わらない。私は空気が読めないし、目に見えない手に取れないものは難しい。
目に見える愛情。たとえば、ずれた布団をかけ直す。こたつで寝てしまった人を必死で起こして布団に誘導する。散歩についていき、見つけたものを教えあう。行ってらっしゃいを言いに玄関まで見送りに行く。面白いネットの投稿を共有する。歯ブラシに歯磨き粉をつけて渡す。新しくできたほくろに気づいて優しく触れる。
生活を共にする相手に目に見える愛情をどのくらいあげられているだろう。慣れて当たり前になったら、目に見えなくなるかもしれない。そしたらまた新しい目に見える愛情をあげればいいか。